縁の下の力持ちである鼻の働きについて・・・
鼻の働きは、大きく分けて、2つあります。
吸気の空調と嗅覚です。l
ヒトの鼻の中には、三層の大きなひだ(鼻甲介)と
周囲に広がる空洞(副鼻腔)があって、広い空間となっています。
この空洞の表面は、鼻粘膜で覆われており
この粘膜が空気中を漂う細菌などの異物を除去し
適切な湿り気を与えます。
また鼻粘膜の下には、多くの細い血管が走っており
空気を加温して、肺に送り込みます。
つまり鼻は、肺に優しい空気を取り込むための加湿加温機能付き
空気清浄機として働いています。
1日に呼吸する空気の量は、およそ1万リットル
浴槽40杯分の空気を鼻が調整してくれているのです。
花粉の時期に、鼻がつまったり、鼻水に悩まされるのは
体が花粉を病原体と勘違いし、鼻粘膜(鼻水)の分泌量を増やしたり
ひだを膨らませて(鼻づまり)異物をくっつけやすくし
血流を増やして、免疫細胞が鼻に集まりやすくした結果です。
つまり鼻の症状は、鼻が懸命に働いている証拠です。
とはいえ、花粉症の症状は、つらいものです。
以前は、花粉症のお薬は、症状が出る前から服用しないと
効かない、と言われてましたが、最近のお薬は
症状が出た後でも、有効です。
長いマスク生活のせいで、息苦しさからいつのまにか
口呼吸が習慣になっていませんか?
哺乳類の中で、普段から口呼吸できるのはヒトだけであり
これによって、高度な言語能力を獲得したと考えられていますが
口は、もともと食事のためのもので、呼吸のための器官ではありません。
ですので、口呼吸で取り込んだ空気は、鼻呼吸に比べて十分に空調できません。
口呼吸には、風邪などの感染症にかかりやすくなる、
喉の乾燥や炎症の原因となる、睡眠の質が低下する、
歯並びの歪みや口臭の原因になる可能性があるといった、
健康面で好ましくない影響があります。
また、口呼吸は、歯周病を悪化させる要因でもあります。
マスクをしていて、初めてご自分の口臭に気が付いたという方は
意外と多いのではないでしょうか?
ようやくマスクを外して生活できる日常が戻ってきたのですから
「鼻から吸っているかどうか」を意識してみて下さい。
明日もお鼻のお話、続きます。
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