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お鼻のお話【2】

  • info070711
  • 2024年6月6日
  • 読了時間: 2分

鼻の働きは、大きくわけて2つあります。


昨日は、1つ目の吸気の空調のお話でしたが、

もう一つの働きは「嗅覚」、つまり、においを感知することです。


鼻腔には、においを感知する細胞があり、

空気中の化学物質に反応すると、その刺激が

鼻腔上部の嗅球(きゅうきゅう=においを感知する神経系)に伝えられ

においとして認識されます。


脳は、嗅球からのにおいの情報を解釈し

その種類や強さなどを判断します。


嗅覚は、感染症やアレルギーといった疾患によって

障害をうけます。

この疾患で、鼻腔の中に、ポリープができると

においが届きにくくなり、嗅覚が衰える原因になります。


嗅覚障害があると、食事の味が薄く感じられるため

食欲不振や栄養不良につながることがあります。

また、ガス漏れや火災などの周囲にある危険な状況に

気付かないことがあります。


嗅覚は、五感の中でも、最も強く記憶や感情と結びついています。

例えば、太陽を浴びた布団のにおい、花火の煙の匂いから

あなたは、何を感じますか?


香りは、特定の場面や体験を思い出させると同時に

時に情動的な反応を呼び起こします。


感情や記憶の一番そばにある五感が嗅覚であり、

このことは嗅覚が様々な脳の部位と結びついていることを

示しています。

つまり、においには、脳に働きかける力があります。


嗅覚は加齢によっても自然に衰えてきますが

近年、サルコペニア(筋肉の衰えによる身体機能の低下)や

アルツハイマー型認知症といった、いわば老化が早く進みすぎる疾患の

患者様では、嗅覚の低下を伴う場合が多いことが判ってきています。


サルコペニアについては、嗅覚の衰えによる食事量の低下と

関連があり、認知症では病気の進行によって早くから障害を

受ける脳の部位(海馬=記憶を司る器官)が、香りと記憶の関連付けを

司っているからであると考えられています。


これらの疾患では、嗅覚障害は発症に先立って、現れます。

特に認知症では、90%以上の方が症状の初期段階で嗅覚障害を

示すとの報告があり、嗅覚障害が認知症の早期発見につながる可能性が

期待されています。


また、嗅覚を刺激する、つまり様々の香りを嗅ぐことで

認知症の進行を遅らせることができそうだといったことも

分かりつつあります。


嗅覚は聴覚や視覚に比べると、軽視されがちですが

特に高齢者の健康と密接なつながりがあることが

次第に明らかになっています。


しっかり鼻呼吸して、においを感じる毎日を送りましょう!




 
 
 

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