高齢者の貧血
- info070711
- 6 日前
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血液中の鉄分が不足して発症する貧血。
貧血の典型的な症状は、動悸、息切れ、倦怠感などですが
高齢者の場合、めまいやふらつきなどは出現しない人が多い一方で
時に認知症や狭心症に似た症状を示す例があり、それらの
悪化と誤解して見過ごされるケースがあるといいます。
65歳以上の高齢者では、血液1デシリットル中の
ヘモグロビン値が11グラム未満になると
貧血と診断されます。
高齢者で多いのは、次の3つです。
① ヘモグロビンをつくる重要な鉄分が不足する鉄欠乏貧血
② 感染症や膠原病などの慢性炎症に伴う二次性貧血
③ 血液疾患が原因となる貧血
鉄欠乏性貧血は、消化器のがんや胃潰瘍などにより
消化管に出血が生じ、鉄分が失われて発症する人が多いとされています。
なお、腰痛などで多用される鎮痛剤を飲むと
副作用で胃潰瘍が生じることがあるため、注意が必要です。
一方、二次性貧血は、がんや関節リウマチ、感染症などで
慢性炎症が起きて、貧血になります。
血液をつくる骨髄自体に、原因がある場合もあります。
また、貧血に多い骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫などでは
造形機能に障害が生じることで、貧血が引き起こされます。
高齢者の貧血の場合、意識障害や呼吸困難、強い胸の痛み、あるいは物忘れなど
認知症のような症状が表れるケースがあります。
狭心症の発作だとしても、救急搬送された高齢者が
実は貧血だったという例もあります。
貧血が疑われる場合は、採血に加えて、消化管出血の有無などを調べ
原因に応じた治療を行います。
鉄分不足による貧血なら鉄剤の服用で改善しますが
それでも良くならないケースでは、血液内科を受診することが推奨されています。
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